TOCFL試験の全貌!レベル別試験内容と合格に必要な語彙数・時間比較 日本と台湾の違い
TOCFLとは何か?
TOCFLの概要
TOCFL公式サイトはこちら:https://tocfl.edu.tw
「華語文能力測驗」通称TOCFLは、中国語を母語としない人たちが、中国語の理解力を評価するための標準化されたテストです。
このテストは、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages, CEFR)を参照しており、日常生活での中国語の使用能力を評価するために準備級から流利精通級まで、8つの難易度レベルが設けられています。
TOCFLは、台湾の奨学金の申請や大学の外国人留学生の入学条件、中国語能力の参考基準として、海外での就職や留学先での採用基準などに利用され、また多くの企業も、海外でのビジネスに携わる社員の中国語力を測るために、このテストの成績を参考にしています。
また、このテストは、日常生活での中国語の使用に焦点を当てた実践的な内容が多いため、中国語学習者にとって非常に有益です。
TOCFLのレベルと試験内容
TOCFLの6つのレベルについて説明
CEFRに基づいて、6つのレベルに分けられるよ
入門級(A1) | ゆっくりとはっきりした口調であれば、基本的な短い言葉や常用する語、基本数字と語彙及び簡単な短い文章を理解することができる。また、視覚的補助や重複読解がある場合も同様に理解できる。 |
基礎級(A2) | ゆっくりとはっきりした口調であれば、簡単な話の内容やポイントを把握でき、日常生活や仕事で、頻度の高い語彙を用いて書かれた短い文章を理解することができる。 |
進階級(B1) | 馴染みのある話題の対話であれば、はっきりと話される場合には内容の大意や重要な部分を理解できる。また、簡明な文章であれば、自身の興味のあるテーマや専門分野に関連する文章を理解できる。 |
高階級(B2) | 標準語で話された一定の長さの対話でも、内容の抽象度にかかわらず、ポイントの大意を理解できる。また、幅広い分野の語彙力を保有しているが、常用でない慣用語句に弱い面もある。同レベルでは、自身の持つ知識の範囲内で文書を推測しながら読解を行うことができるが、文書の内容や難易度により読解速度が異なる。 |
流利級(C1) | 話者の発音がはっきりしない場合を除いて、抽象的あるいは複雑なテーマ、構造や関連性がはっきりしていない話でも理解できる。また、長く複雑な文書でも、難しい箇所を再度読解することが可能であれば、自身の専門領域と関係なく文書の細部まで理解できる。 |
精通級(C2) | 不規則もしくはめったに使わない専門用語を含む講話、放送、報告等の口頭叙述の内容を聞きとることができ、抽象的、複雑な構造、または相当に口語化された文学作品や非文学作品等を含む、ほぼ全ての形式で書かれた文書を理解することができる。 |
各レベルの合格に必要な語彙数、時間比較
以下では台湾国外での学習時間を掲載していますが、台湾国内で学習をした場合必要な時勉強時間は半分になります。
レベル | 語彙量 | 必要な勉強時間 (台湾国外での学習時間) |
---|---|---|
準備級1級 | ー | ー |
準備級2級 | ー | ー |
入門級 | 500 | 240-480時間 |
基礎級 | 1,000 | 480-720時間 |
進階級 | 2,500 | 720-960時間 |
高階級 | 5,000 | 960-1920時間 |
流利級 | 8,000 | 1920-3840時間 |
精通級 | 8,000以上 | 3840時間以上 |
一番上のレベルに合格しようと思ったら、1日に3時間勉強して1280日(約3年半)以上かかるね
TOCFLの受験方法と費用
台湾と日本での受験方法の違い
【日本】
ペーパーテストのみ。筆記用具を持参し、指定された試験会場で受験します。
【台湾】
ペーパーテストかCAT方式どちらかを選択。
CAT方式というのはコンピューターを使って自分のレベルを算出するというものです。
試験費用はペーパーテストよりも少し高くはなりますが、自分の正確なレベルを知れるのがメリットです。
また、台湾では預試(Pilot test)も行われており、こちらは200元で受験することができますが、成績証明書など公式の認定書がもらえません。
預試は証明書などが必要ではなく、自分のレベルを試したい時におすすめです。
TOCFLの費用について
【日本】
ペーパー試験:7,500円(税込)
【台湾】
ペーパー試験:1400元
CAT試験:2000元
上記費用は全て各レベル共通です。
レートが約5.36円/元以下なら台湾で受けた方がお得だね
TOCFLの対策方法
教科書で基礎を身につけよう
當代中文課程課本
當代中文課程課本は、中国語学習者に人気があるシリーズの教材です。
この教科書は、中国語を母語としない人向けに作られていて、初心者から上級者まで、すべてのレベルに対応しています。
ぼくがメインで使っている教科書もこれだよ
當代中文課程課本の特徴は以下の通りです。
- 実用性を重視:この教材は、中国語を実際に使う上で役立つ言葉や文型を学ぶことができます。日常生活で使える表現や、仕事や学校、社交の場で必要な文章などを多く取り入れています。
- 台湾文化を同時に学べる:この教科書には、台湾の文化や歴史に関する情報が含まれているので、中国語を学ぶのと同時に台湾の歴史や文化についても詳しく知ることができます。
- 音声付き:教科書の音声をダウンロードできるので、正しい発音や表現方法を知ることができます。また、シャドーイングにも役立ちます。
メインの教科書は一つに絞って、気分転換のための教科書も1〜2冊あるといいよ
気分転換におすすめ
これまで数多くの台湾華語に関する教科書を読んできましたが、その中でもおすすめできるのが「3パターンで決める日常台湾華語会話ネイティブ表現」という教科書です。
他の参考書には、文法がおかしかったり、簡体字が混ざっていたり、音声がついていなかったり、ネイティブが使わない表現方法があったりします。
この教科書は、以下の特徴があります。
- ネイティブが実際に使う会話表現
- ネイティブの音声と日本語訳がついている
- シーンごとに分かれているので、すぐに探すことができる
- コンパクトで持ち運びが簡単
ぼくの台湾人の友達もこの教科書を絶賛していたよ
教科書独特の文法を意識しすぎた表現ではなく、実際にネイティブが使う自然な表現のみ掲載されています。
模擬試験を解く
TOCFL公式ホームページで公開されている模擬試験をダウンロードし、受験予定のレベルのものを何度も解き直しましょう。
また、以下の記事でTOCFLの模擬試験を使用した練習問題などを掲載していますので、そちらもご覧ください。
一番重要となるのは解き終わった後の復習です。
わからなかった単語や文法を覚えたり、聞き取れなかった部分などを何度も繰り返し聞いて聞き取れるようにしましょう。
TOCFLを受験してみての感想/体験談
対策すればいけそうだなあ
まず初めに、TOCFLは試験時間がたっぷりあるので時間が足りなくて困ることはありませんでした。
比較的落ち着いて、しっかり考えながら解くことができます。
会場の雰囲気
【大阪】
会場には小さい部屋に5人ほどの受験者しかおらず、アットホームな感じで落ち着いて受験することができました。
狭い部屋なので音声もクリアに届きます。
【台湾】
コンピュータールームで受験します。会場には様々な国からの人々や多彩な背景を持つ人々が集まり、グローバルな雰囲気が漂っていました。
リスニング問題はヘッドフォンを装着するので、音声問題も無しです。
また、台湾でのみ開催されるCAT方式のテストは、A2とB1、B2とC1など、自分がその間のどのレベルにいるかわからない場合や、一度もテストを受けたことがない人におすすめです。
この方法だと不合格になることはないので、自分のレベルに合った合格証明書を必ず獲得することができます。
ぼくは台湾に来て3ヶ月目にこのCATテストを受けたら、合格点数ギリギリでB1に受かったよ。もしレベルAのテストを受けていたら貰えなかったから、CATにして良かった
まとめ
TOCFLは、台湾華語を学ぶ人々にとって、自分の実力を客観的に把握するための有効的な手段です。
台湾の企業や大学でも、華語能力を評価するために活用されています。
将来台湾で働く人や、台湾の大学へ進学を考えている人は、この試験を受験することで自分の能力を正確に把握することができます。
また、受験しない場合でも、目標として設定し、自分自身がどの程度のレベルを目指しているのかを把握することで、効果的な中国語学習につながるでしょう。